相続税の申告について考えなければならない方が大幅に増えました。

平成2711日より相続税の基礎控除が引き下げられました。

基礎控除とは何かと言いますと、その金額までは財産があっても相続税がかからないという金額のことです。

改正の内容は以下のとおりです。

<改正前>

基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

<改正後>

基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数 

一つ例をあげてみます。

亡くなられた方(被相続人といいます。)甲さんの家族は配偶者の乙さんとお子さん2人だったとします。この場合相続人は乙さんとお子さん2人で3人となります。

改正前では基礎控除額は5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円となり、甲さんの財産が8,000万円以下であれば相続税はかかりません。

仮に甲さんの財産が7,000万円だったとすると、甲さんの相続については相続税はかからないこととなります。

一方、改正後だと基礎控除額は3,000万円+600万円×3人=4,800万円となり、相続税の申告をしなければならなくなりました。

改正前は基礎控除額が高額だったため、亡くなられた方のうち相続税の申告の対象となる方の割合はおおよそ4%強くらいでした。しかし、基礎控除が引き下げられたことにより、この割合は8%くらいまで大幅に上昇しました。

近年は少子化が進んでいるため相続人の数も少ないこともあるかと思います。仮に相続人が配偶者のみであれば基礎控除額は3,600万円となります。

一戸建ての不動産をお持ちで預貯金や株式などの金融資産をお持ちであれば相続税について考える必要があるかと思います。 

相続税の申告期限

相続税の申告期限は相続の開始(亡くなったこと)があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内となっています。10か月と聞くと結構余裕があるように思えますが、相続開始直後はお葬式や仏式であれば四十九日の法要などまで結構忙しくてあっという間だと思います。

また、所得税の確定申告や法人税などの会社の決算申告は毎年おこなっているため、大体のことはおわかりかと思いますが、相続は人生のうちでも経験される回数が限られています。生前から相続の対策などをなされていらっしゃれば財産の状況の把握や遺言や遺産分割協議による分割などもそれなりにスムーズにおこなわれるかもしれませんが、生前に準備をなされている方は限られているかと思います。

相続が開始した場合において相続税がかかる可能性がある方は早めの手続きが大切です。

相続税の申告をすることによって相続税の納付額を減らすこともできます。

相続財産が基礎控除額を超える場合においても相続税法上の特例を受けることによって相続税の納付額を減らしたり、0にすることができる場合があります。

被相続人が居住の用に供していた家屋の敷地で一定の要件を満たす場合には、その土地の価額の8割を減額することができます。また、配偶者についても相続した財産が16,000万円までであれば相続税がかからないという制度もあります。これらの特例を受けるためには相続税の申告期限までに遺産分割をするとともに相続税の申告をしなければなりません。相続税の申告は大変ですがそれ以上に効果は大きいと思います。

相続税の申告以外にも必要な申告があります。

被相続人が個人で事業をおこなっていた場合などは、その年の11日から相続開始の日までの所得について所得税の準確定申告が必要となることもあります。こちらは相続開始のあったことを知った日の翌日から4ヶ月とかなり期間が短くなっていますので注意が必要です。

今は健在だけど将来相続のときにはどうなるか不安という方へ

現在の財産の状況から相続税の申告の対象となるかどうか?相続税はいくらくらいになるか?について相続税の試算の業務も承ります。一度状況を把握なされると安心できるかと思いますし、相続税の対策についても考えることができます。どちらにしても早めにとりかかられることが大切です。

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