前回から具体的な仕訳の説明が始まりました。前回は現金売上や現金支払いといったすぐに現金の入出金がおこなわれるものでした。ところで商売上の契約などで1ヶ月分の売上を翌月以降にまとめて請求することや反対に仕入の代金を1ヶ月分まとめて翌月以降に支払うことも多いと思います。今回はそのようなケースの仕訳を説明します。

1.当月分の商品の売上をまとめて翌月に支払ってもらう場合

このような売り方を「掛けで売る」又は「掛売り」と言います。例えば6月の売上は掛けで売って、7月15日に現金で回収したとします。6月分の売上は30万円でした。

まず、6月分の売上の仕訳をおこないます。売上は前回説明しましたが、収益に該当するため基本ポジションは貸方(右)です。一方、借方ですが、掛売りの場合は「売掛金」という勘定科目を使います。売掛金は現金とは異なりますが、後程現金で回収することができる権利ということで資産に該当します。資産の基本ポジションは借方(左)です。そのため、仕訳は以下のようになります。

(借方)売掛金 300,000円 / (貸方)売上 300,000円

次は現金で回収した場合です。現金が増えて売掛金は減少します。現金が増えるのは資産の増加なので借方(右)です。一方売掛金の減少は資産の減少なので基本ポジションとは逆の貸方(右)となります。仕訳は以下のようになります。

(借方)現金 300,000円 / (貸方)売掛金 300,000円

もしも、30万円のうち25万円しか回収できなかったとしたら、どうなるでしょうか?

(借方)現金 250,000円 / (貸方)売掛金 250,000円

となります。売掛金は30万円-25万円=5万円で、まだ回収できていない金額が5万円残っていることとなります。

2.当月分に仕入れた材料の代金をまとめて翌月に支払う場合

先ほどの売掛金と逆のパターンです。掛けで買う場合は買掛金という勘定科目を使います。6月に仕入れた材料の金額の合計は10万円だったとします。この金額は7月10日に現金で全額支払ったとします。買掛金はあとでお金を払わないといけない債務に該当します。よって基本ポジションは貸方(右)となります。

6月の仕訳は以下のようになります。

(借方)仕入 100,000円 / (貸方)買掛金 100,000円

7月10日の仕訳

(借方)買掛金 100,000円 / (貸方) 現金 100,000円

買掛金は減少するため、借方となります。一方試算である現金も減少しますので、貸方となります。

こちらも全額でなく8万円だけ支払ったとします。

(借方)買掛金 80,000円 / 現金 80,000円

買掛金は10万円-8万円=2万円となり、支払わなければならない金額が2万円のこっていることとなります。

※ 売上や仕入をいつの時期で計上するべきかについてはいろいろな論点がありますが、ここでは仕訳の仕組みをまずおさえていただきたいので、割愛しています。

 

今回は、ここで終わりとします。

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