今回からは具体的な仕訳の説明をしていきたいと思います。

多くの方は簿記の勉強を始める場合に簿記検定3級を取得しようと考えられるのではないでしょうか?確かに、簿記検定3級の勉強をなさるのは大変有意義だと思います。

ところが、簿記検定3級の内容をすべて知っておかないと複式簿記ができないのかというと必ずしもそうとは言い切れません。簿記検定3級では当座預金や受取手形などが出てきますが、個人で事業を始められる場合はそこまで必要でないことも多いかと思います。

当座預金や受取手形などはやや複雑な部分もあるので、ここで挫折してしまう方もいらっしゃるかもしれません。当コーナーではとりあえず現金や預金での取引を中心に説明していき、基本が固まったところでやや複雑な部分に進むようにしたいと思います。

早速仕訳の学習を始めましょう。

1.商品や製品を現金で売った場合

前回簿記の5要素のお話をしましたが、現金がどれに該当するのかをまず確認しましょう。現金は資産となります。資産の基本のポジションは借方(左)です。売り上げたことによって現金が増えるので借方は現金となります。

次に貸方です。売上は簿記の5要素の中で収益に該当します。収益の基本のポジションは貸方(右)です。収益が増えるので、売上は貸方となります。売上金額が2,000円だったとすると仕訳は以下のようになります。

借方 現金 2,000円 / 貸方 売上 2,000円

商品の売上だけでなくサービスの提供も同様となります。例えば経営コンサルタントの方がセミナーをおこなって、報酬を現金で20,000円受け取ったとします。

借方 現金 20,000円 / 貸方 売上 20,000円

2.現金で材料を仕入れた又は現金で経費を支払った場合

1では収益である売り上げの説明をしましたが、次は逆に現金での支払いです。例えば製品を製作するための材料1,200円を現金で仕入れたとします。仕入は費用に該当するため、基本のポジションは借方(左)です。仕入を計上(仕入が増加)するため、借方が仕入となります。一方、現金払いということなので、現金は減ることとなります。現金は増える場合は借方で減る場合は貸方です。仕訳は以下のようになります。

借方 仕入 1,200円 / 貸方 現金 1,200円

経費を支払った場合も同様です。例えば電気代5,000円を現金で支払ったとします。電気代は「水道光熱費」という科目で処理します。水道光熱費は「費」という漢字があるのでおわかりかと思いますが、費用に該当します。費用が増えるので借方となります。現金は先ほどと同じ考え方で貸方となります。仕訳は以下のようになります。

借方 水道光熱費 5,000円 / 貸方 水道光熱費 5,000円

3.現金でなくて、預金に売上の代金が振り込まれた場合や預金から口座引落しなどで支払った場合

これは上記の現金が普通預金等に変わっただけですので、現金のところを普通預金とすればよいだけです。

売上の場合

借方 普通預金 2,000円 / 貸方 売上 2,000円

仕入の場合

借方 仕入 1,200円 / 貸方 普通預金 1,200円

 

以上です。これを押さえるだけでかなりの部分の仕訳ができるのではないかと思います。どの科目で処理するのかなどは徐々に説明していきますので、こちらも徐々に覚えていくとよいでしょう。

日々仕訳をおこなっていくと自然に身についてきます。

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