前回は簿記の歴史について説明しましたが、今回は借方と貸方について説明したいと思います。簿記の勉強の経験の方については最初に悩まれるものの一つではないかと思います。

更にたちの悪いことに勉強が進めばより悩む項目でもあります。

1.借方と貸方という言葉はどこから来たのか?

日本に簿記を持ち込んだのが福沢諭吉先生というお話は前回しました。Wikipediaによると、福沢諭吉先生が「debit」という言葉を「借方」、「credit」という言葉を「貸方」と翻訳されたそうです。初期の複式簿記は債権(お金をもらえる権利)と債務(お金を支払わなければならない義務)を記載することが主な目的であり、主に銀行の経理で使われていたそうです。

それを相手側からの視点で記録していたとのことです。

もう少し勉強が進まないとわかりにくい部分がありますが、例えばA商店が銀行からお金を借りていたとします。銀行から見れば貸付となるので債権(資産)となります。貸付金は名前からして貸方となりそうなのですが、借りた人の目線で見るので借方ということだそうです。

なんだかややこしいですね。

現在では単純に「借方が左側」「貸方は右側」と覚えておいていただくだけで大丈夫です。

2.借方と貸方はどっちが左で右なのかすぐに忘れてしまうのですが。

借方は左で貸方は右と覚えておけばいいということですが、これが結構どっちがどっちだったか最初のほうは苦労すると思います。そこで覚え方です。

学校で私が習った方法をご紹介いたします。

「借方」はひらがなで「かりかた」です。この「かり」の「り」に注目します。「り」と書く時に左側にはらって書きますね。そこで、「かりかた」は左と覚えます。一方「貸方」ですが、ひらがなだと「かしかた」です。「かし」の「し」に注目します。「し」はさっきと逆で右にはねます。よって「かしかた」は右と覚えます。

下の図をご参考ください。

今回はここまでです。

次回から本格的な内容に入りたいと思います。

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