黒字なのに倒産?

黒字倒産という言葉があります。赤字で倒産ならわかるのですが、黒字なのになぜ?と疑問を持たれる方も多いと思います。
今回は黒字倒産についてわかりやすく説明したいと思います。
わかりやすさ重視のためにシンプルにしてあります。
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社は電機の部品を組み立てて電気製品を販売しています。
電機の部品の仕入代金は1,000万円で、製造のために人件費や光熱費などの経費が500万円かかります。完成した製品は2,000万円で売れるものとします。
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月に手元には1,000万円あったとします。そのお金で1,000万円分の部品を仕入れます。
1ヶ月後に完成して5月の初めに2,000万円で売れましたが、代金が支払われるのは6月とのことです。
ここで利益はいくらになるでしょうか?
売上2,000万円-(仕入額1,000万円+経費500万円)500万円なので黒字ですね。
しかし、お金の流れを見ていきますと500万円の経費のうちお給料については売上代金が入るまで待っててくださいねというわけにはいきません。水道光熱費なども5月中には払わなければならないでしょう。
そうすると支払うお金が足りなくなります。足りない分は社長さんが自腹で出すか、金融機関などから借りることになりますが、なかなか500万円というお金を用意するのは難しいとおもいます。
さらに次の同じ注文が入ってもこのままでは部品の仕入もできませんし、給料が支払わなければ従業員の方も働いてはくれないでしょう。
これらのことが重なると利益は出ているのにお金が足りなくて倒産ということになります。
これが黒字倒産です。
逆に赤字でも倒産しない場合もあります。このような経営をする会社はないはずですが、仮に上の例で売上金額が1,300万円としましょう。
この場合は200万円の赤字ですが、社長さんが大富豪でいくらでもお金があるような場合では会社は大丈夫です。あくまでも仮の話です。
会社の財務状態を見るときには損益計算書をまず見られると思いますが、利益が出ているのに経営が苦しいという場合は、お金の流れであるキャッシュフローや月々の資金繰りまで見る必要があります。
私もお客様から「経営が苦しいのにこんなに利益が出ているんですか?」と聞かれることはよくあります。そこで簡単なキャッシュフロー計算書を作成してご説明するとよくご理解していただけます。
当事務所ではキャッシュフロー分析なども行うことにより、より良い経営ができるようにアドバイスいたします。

 

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