住民税と健康保険料が急激に増えた!という方へ

天候不順で体調を崩しやすい季節ですが皆様いかがお過ごしでしょうか?今年の夏も相当厳しい暑さになるというお話をお客様から聞きました。私は比較的暑さに強いほうだと思っていましたが、この3年間ほどは体温より高い日も多くさすがに強いとは言えなくなりました。この夏体調を崩さないで過ごせるように昨日は近くの神社の輪越し祭りへ行ってきました。検索すると「夏越祭(なごしさい)」というところもあります。

前置きが長くなりましたが、本題に入りたいと思います。今日から7月になりましたが、例年6月の中旬頃に多いご質問に「健康保険が昨年の10倍くらいになったけれど計算間違いじゃないんですか?」「市県民税もかなり高いけれど計算合ってるの?」というものがあります。個人事業をなされている方からのご質問がほとんどです。お勤めの方は健康保険組合や協会に加入されていますので給与から天引きになっており、かつ、勤務先が半分を負担してくれますので、ご質問は多くはないです。以下、解説をしていきたいと思いますが、ボリュームがあるため、2回に分けて解説していきたいと思います。

1.市県民税及び健康保険料の計算のもととなるもの

個人事業をなされている方は確定申告をなさっているはずですので、この申告の所得の金額が計算の基礎となります。このデータは税務署から送られてきます。また、年金収入の方などで市県民税の申告をなされた方は、その時のデータが市民税課などから健康保険の担当部署へデータが送られます。そのため、市県民税の申告をされた方が市県民税の担当に聞くとこういう計算でこの税額ですよというのは教えてくださいますが、税務署で申告をなされた場合は「税務署からのデータをもとに計算していますので」ということで詳しくはわからないこともあるかと思います。

2.市県民税の課税金額の計算方法

確定申告をなさった方は申告書の控えをご用意いただければと思います。所得金額の合計と各種所得控除額に注目します。所得の金額は原則として所得税の場合と同じです。注意すべき点は所得控除の額です。この部分が所得税と市県民税で少し異なっています。主なものを挙げてみます。

(1)配偶者控除 所得税38万円 市県民税 33万円

(2)生命保険料控除 年間の支払額によって控除金額が異なり複雑であるため、細かい計算の説明は割愛いたしますが、保険の契約がすべて新契約で一般・介護・年金ともに最高額適用される場合、所得税はそれぞれの最高が4万円で3つあわせると12万円となります。一方市県民税はそれぞれの最高が28,000円ですが3つあわせた合計は7万円となっています。

(3)地震保険料控除 こちらも年間の支払額で異なってきますので細かい計算は割愛いたしますが、所得税の最高額は5万円に対して市県民税は25,000円となっています。

(4)基礎控除 所得税は38万円ですが、市県民税は33万円となっています。

上記は主なものをあげましたが、他にもあります。基本的に所得税より控除額が少なくなっていますので、所得税の計算において課税所得が0なのに市県民税では発生することもあります。

3.市県民税の税率

所得税の税率は超過累進税率となっており、課税所得金額によって税率が異なってきます。一方市県民税は課税所得によって税率は変動しません。愛媛県松山市にお住いの方の場合は愛媛県分が4%で松山市部分が6%で計10%となっています。

ここで所得税と比較してみます。課税所得金額が195万円以下の場合は税率は5%です。つまりこの部分に該当する方にとっては市県民税の税率は所得税の税率の2倍となります。所得税よと比べて住民税が高いという原因の一つかと思います。ただし、課税所得金額が330万円を超えると所得税の税率は20%ですので、逆転します。

4.均等割の存在

所得税は土地や建物などを譲渡した場合や株式等であらかじめ天引き(源泉徴収といいます。)されたものなどを除いては課税所得金額に税率をかけて計算した税金のみとなりますが、市県民税は課税所得に税率をかけたもの(所得割といいます)以外に均等割というものがあります。これはその市町村に住んでいるということでかかる税金です。一定の所得の金額以下はかからないようになっていますが、それ以外の場合は一定の金額が課税されます。愛媛県松山市にお住まいの方の場合、均等割の金額は年額5,700円となっています。お客様に説明するときは電気料金や水道料金などの基本料みたいなものですとお話しています。基本料は使用した量にかかわらず一定額がかかりますよね。

 

以上おおまかな説明ですが、所得税の申告書の控えをお持ちの方はそれをもとに大体の市県民税の金額の計算をすることができます。なお、所得控除で説明しきれなかった部分やその他の調整する項目があったりしますので、詳しくはお住まいの市町村のホームページなどでご確認いただければと思います。

 

 

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